ひとり営業草子

ひとりで歩く営業の考えたことなど。

会社員をやっていくなら

20代後半にもなると、わけもわからず会社員になりきるための努力がいらなくなり、余裕が生まれる。

そして自分の上の世代を見ていると、会社員をやっていくとは…みたいなことを考えたりもする。

 

私は出世欲やランキング上位欲がなくて、上位になれれば嬉しいけどそのために身を粉にする感じの必死さはない。

そして自分の上司になる世代に共通する「平社員でよかったのに」という被害者思考とマネジメントから逃げまくる挙動は、自分のこの感覚と地続きなのかなと思ったりするわけだ。

 

ひとつの会社に留まることが珍しくなりつつある現代、マネージャーに昇進するような勤続年数の社員は、大体その会社で比較的優秀な成績を収めて満足していた人、もしくは壊滅的に仕事ができないから他に行けなかった人の二択だ。

壊滅的に仕事ができない人はまず昇進しない。というわけで必然的に仕事ができていた人が昇進しチームを管理するようになる。

ただ優秀だった上司は往々にして「クラッシャー上司」なんて社会現象も生む。仕事ができない、やる気がないという社員のことが理解できない、というか理解したくもないから詰めて詰めて詰めまくる。

名プレイヤー名監督とならず、の例に漏れず、会社員でも仕事のできる社員はマネジメントができるわけではない。どちらかといえば他人の指示や設定された目標を達成することが得意だった人でしかない。

息抜きの仕方もわからず、部下が自分とおなじになれば大丈夫、というロボットのプログラミングのようなマネジメントになる。そしてうまくいかない。

 

我々若者はウザかったらすぐ辞めるしランキングとか会社の業績などどうでもいい。今勤めている会社が何十年後も残っているわけがないので、今現在に全力を懸ける必要がない。

賃貸に住むのは当たり前になったしローンを組んでまで買うような物もない。"普通の幸せ"よりも今現在、心身を壊さずに生きていく方が大事。

若くして過労で亡くなる人や、定年退職後何もやることがなくて垂れ流しのテレビを見続けたり、無料の公共交通機関で徘徊している老人を見て「こうはなりたくない」と思う。

 

とはいえ70歳まで働くかもしれない見通しの中、のんべんだらりと会社員をやっていけるかもわからない。

思わぬ大病を患うかもしれないし、親族の絡みでわーきゃーしなきゃいけないかも。独身で生きていく覚悟はしているものの、何かの弾みで結婚するかも。

 

別に出世しなくていいなあと思う。飲食業や小売店が「座ってもいい空気」ができればそちらでのんびり日銭を稼ぐのもいい。

ただ自分の性質を思えば、会社員が向いているなとは思う今日この頃、また仕事か…とため息をつきつつ、なんだかんだお金を稼げて暇潰しにもなる"仕事"というものを心の底から嫌うことができずに明日も働いてしまうのだろう。

 

マネジメントに悩む上司には申し訳ないが、これがなんとなくの感覚だ。さて、のんべんだらりの会社員人生はこれからも成り立つのだろうか?

不動産営業"女子"の現在地

外回りの多い仕事を選んだのは、ずっと座ってPCと向き合ったり、一挙一動を誰かに見られていることに耐えられないから。

業界を絞れず行き詰まった就活でふと、電車から街を眺めたり歩いたりすることが好き、そういやRPGでもマップを隅々まで解放するの好きだったな?と考え、面接を受けてみたら受かった。

今もたぶん天職だと思っている。

 

サボりまくってもよかったけどノルマが毎月しんどかった売買系の1社目を経て、今は管理系の会社で顧客対応をしている。

時間の使い方は自由で、上司も自分が監視されたくないからこちらのことも監視してこない、そんな緩めな会社。でも日々起こる顧客の要望は捌かないといけないので、暇ってわけでもなく。

会社のお金であちこちに行っては「マップ解放」ができるのが楽しいし、顧客対応も苦ではない。

 

まだまだ若手の方に入るけれど、あと何年かしたら後続を育てたりしなきゃいけないだろうな、というモラトリアムの中で、仕事終わりや休日に映画を観て、推し活もし、充実している。(映画や推しのことはまた別で書く)

 

不動産は顧客に女性が多く、私が出てくると明らかに安心したり喜んでくれる人も多い。男性の業界と言われてはいるが、相手が女性だろうと軽んじないだけで評価が上がる仕組み。

とはいえ俗に言うクレーマー気質な人も一定数いるし、相手が女だと舐めてかかってくる相手は社内でも取引先でも顧客でもまだまだたくさん。やっぱりこの先もっと男女比率が同じくらいになったらいいのになって思う。

 

フェミニズムの本を買い漁り、真剣に学んでいたこともあったけれど、机上の空論も多くて実生活では使えない考え方もある。学者やアクティビストにはわからない目の前の現実をなんとかするには「自分が体現しなければならない」ってことに気づいた。

まずその現場に女性がいなければ意味がないし「女はどうせ辞めるからな〜」って言われても、その通り結婚や出産でサラッと辞める人が多い現状で「男女同権!」を叫ぶのは難しい。

先人たちが切り開いた道は獣道。名誉男性とも言えるような、タバコを吸って残業休出飲み会ではエロ話を率先してするような何でもありな人ばかり。

彼女たちがいたから私が採用されているとはいえ、同じ道を歩くより、もっと歩きやすくて楽な道ないかなあなんて考えていたら、タバコ吸わないしお酒飲まないし定時で帰って休日しっかり休んで有給マックス取得、みたいな不動産営業"女子"が出来上がっていた。やろうと思えばできる。

 

同じくキャリア入社の男性に同じような人が増え始め、後輩の新卒社員もタバコ飲酒NGが増えてきた。残業休出はまあ帰宅してもやることがないという理由でやりたくてやっている人が多いので割愛。

なかなか生息しやすくなってきたな、なんてほくそ笑みながら、今日も電車に揺られ、アポイントの時間を多めに申告し、前後でのんびり本屋に行ったりする。(たまに3時間喋り続けることもあるからあらかじめ必要なゆとりだが)

さすがにショッピングビルにある椅子や喫茶店で何時間もダラダラするまではやらないけど、社会人ってみんな結構サボってるし楽しようとしてるんだなって気づいた時、驚いたのを覚えている。

そして残り何十年も働くなら疲れない方がいいよね、という思想を持ちつつ、いつか自分も古臭い人間になったりするのかしら、なんてことも思いつつ。

バリキャリなんて言葉が古くなるぐらい、のーんびりしたサラリーパーソンをやっていくつもりだ。

 

仕事を片付けすぎると新しい仕事が舞い込んでくるし、定時で帰ってるってことは余裕があるってこと?みたいな解釈をするブラック上司もいる。なんだかんだ数字は大事だし、社内スタッフの助けがなくては回らないから人間関係も良好に保たなければならない。

 

周囲では祖父や父親しかフルタイムで働いていなかったから、女性で毎月生理がある状態で働くってことがどういうことか、知らないまま始まって今に至る。

ホルモンバランスは気をつけないといけないし、栄養あるご飯食べないと駄目だし。

つくづく男性用の社会構造だなと思いながら、でもそれを変えるために今、この現在地をなんとか自分にとって居心地のよいところにしていくしかない。

 

のんびり、でも着実に変えていく。そしたら、私の後に続く人が獣道を歩道ぐらいまでに整えられるようになるかも。

なんてことを考えながら今日も働いている。

はじめに

人生の半ば、ひとりで生きていくかもしれない、という方向性が固まったため、枕草子のような日記のような、考えたことを言葉にしてみようと思い、始めます。

 

不動産営業で外回りが多い仕事。女性として社会人をやることについて、コスメや推し活の話もしたい。つまり枕草子をやりたい。

 

なかなか調べても同じような境遇の人の話を読めず、じゃあ自分で書いて自分で読むしかないか〜という感じ。

 

親族とはつかず離れずの距離を保っており、おそらく先天的なアセクシャルなので今後誰かと婚姻関係を結ぶ可能性は低い人生。それでもつれづれなるままに、書いては読んで愉しみたいと思います。